4−2 「では、遠慮なく…」 「それでは、私も」 荀ケ(いく)が箸を付けたのを見て、娘婿も酒肴に箸を伸ばし、『美味しい』と舌鼓を打つ。 実際、目の前にある膳は、鶏や豚肉を使った豪華な主菜に、幾種類もの副菜、酒に合いそうな酒肴もとりどり用意されていた。 まだ温かく湯気さえ燻らせているばかりか、宴の酒肴とは品数や味が勝るとも劣らない充分過ぎる物で、二人ともよく箸が進んだ。 「この様な席を設けて頂けるとは…明日、殿によく御礼を申し上げなくては」 「そうですね、有り難い事です」 帰宅する房主を待つように設えてあった二人分の酒席は、陳羣が用意した物ではなく、司馬懿の計らいであった。 義理とは言え、親交の深い親子が水入らずで積もる話を話せるように、と気を遣ってくれたのであろう。 華やかな宴と違って女も楽もないけれど、二人が今必要だったのは、離れていた幾年月を埋めるための二人きりの会話だけであったのだから。 「…長文、貴方が大切にされているようで本当に良かった」 正直な話、降将の立場は何処も厳しいのが常だと思っていたので、こうして彼が尊重されているとやはり嬉しい。 大抵の投降先では忠節も情も捨てたと囁かれ、所属していた軍からは売国奴と侮蔑される。だが司馬懿軍は、流石に数多の降将を抱える軍だけあって、それはないようであった。 - - - - - - - - - - - - - - 2012/12/17 ikuri 実際、司馬懿軍は知力は司馬一族のお蔭で抜群にいいものの、武力からきしなので降将に頼らねば生きてけないのです。。。 実プレイではとりあえず他国の攻めてきた軍隊を寝返らせ、仲達と親愛関係だけど他軍の張コウさんを誘惑して引き抜くことから始めます(・∀・) 戻 |