4,Witchmakers

私は笑みながら一旦身を引いて返答を待ちつつ、その辺にあった筆を取った。
然しその手を掴まれる。

一回り大きなその手に、私の手はすっかり収まってしまった。

私は思わず筆を取り落とした。

其様事をされた事が無かったからだ。

「っ何をする」

ぐいと力を込めて手を引き抜こうとするも、無理だった。
更に腕と腰を一気に引き寄せられては一瞬何がなんだか判らなくなる。

気付くと司馬懿の前に座らされていた。
後ろを向こうと首を捻ると、肩口に奴の顔があった。

「…仲達に御座います」

耳元で囁かれ妙な痺を喰らうも、その言葉は聢と耳にした。

「…普通に言えんのか」
「すみません、つい」

仲達をそうさせた切っ掛けが解らない。
だが別段知りたいとも思わずに、私はその侭仲達の膝でぼんやりとした。

取り落とした筆が畳を汚している。


「曹丕殿、日頃勤勉なさっているご褒美です。今日は一日のんびり致しましょう」
「お前が休みたいだけではないのか?」

そう言うと仲達はハッとして首を横に振った。

まさか、洩らす仲達。

成程、判りやすい奴。





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5,Witchmakers



「…嫌いではない。一日ゆるりと過ごすのも」



お前と過ごすのもな。



推移する季節、世界。
世話係は今日も私の隣に控えている。
奴は私の世話係を務めた最高記録保持者だ。
記録は日々更新されていく。

「仲達」
「はい、曹丕殿」
「…字で呼べ」
「…子桓様」
「今日もゆるりと過ごすか」
「なりませぬ」
「良いではないか」
「昨日もそう仰っておりましたよ?」
「…仲達の膝は落ち着くのだ」
「……」



世界が少しだけ、興趣あるものとなった。







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後書き

15600HIT海石様斬リク、『子丕or子司馬で丕司馬の甘い小説』でした♪
・・・ど、どうでしょう(汗)

最初は両方ちびっこにしようかなぁと思ったのですが、そうなるとどうしても甘い小説にする事が出来ず(丕も懿も餓鬼の癖に無駄にプライド高&人見知り激しいと勝手に脳内設定)
そやつら、仲良くなれる筈がありませぬ。
なのでやっぱり子丕司馬にさせて頂きました;;
丕はちびっこでも司馬懿に対しては常に攻めの姿勢であります。
しかぁし!!ちびっこ丕には特典が付きます(何)
それは…

“ちょっとヘタレ”!!!(ぇ)

かっこつけたんだけど失敗、みたいな…意地っ張り子丕。
うちの丕は成長するにつれてヘタレ度・意地っ張り度が下がっていきまする。
…こんな感じになりましたが、如何でしょう?(訊くな)
海石様、斬リク誠に有難うございました!!
HP貼り付けて下さった様ですがPC用で見れなく、残念です(T^T)
運営頑張って下さい☆
ではこの辺で…+

2006/09/05-樂魅



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海石が樂魅様のお宅で、15600hitを踏んで戴いて参りました甘い子丕司馬小説でございます。
仲達初々しいカテキョっぷり!
丕もめろめろですよ!!vvv(落ち着け自分)
無双年齢も良いですが、史実準拠な年齢差も大好きですー!!><v