ざわりざわりとしていた喧騒が、さざ波の様に殊更ゆっくりと広間から引いていくように思えた。
 その間、私は少し俯いて足元の敷布の緋と目の端に映る蒼を見ていた。
 呼び止められてからそう時間は経ってはいないだろう。
 けれど私には、二人きりになるまで随分と時間が長く感じられた。
 気まずいのもあったと思う。
 しかし微かに灯った頬の熱は、「それだけでは無いのだ」と、私に暗に示していた。















暗き冷檻、一条の。後篇・一















「……司馬懿、と言ったか」


 最後の一人が広間から去るや否や、公子が言葉を口にした。 漸く聞こえた声は、もう先程の様に苛立ちなど欠片たりとて含まれてはいない。 まるで私の自慢の兄・伯達を彷彿とさせる、落ち着きと自信に満ちた声であった。
 ただその声は、柔らかい響きで聞こえるのに、私に向けられているというだけで、 何故か私の心をざわめかせたのだけれども。


「はい、公子」


 肯う声が震えはしないかと一瞬だけ心配したが、私は自分でも戸惑う程に落ち着き払って応えた。 すると青年が一つ頷いて口を開いた。
 一体、何を言うのだろうか。
 しかし、期待と不安を込めて相手の様子を窺おうとした次の瞬間、思わず目を瞠(みは)らされることになった。


「私は曹丞相が長子、曹丕、字は子桓だ。
 ……先程はすまなかったな。父と臣下の非礼、代わりに私が詫びよう」


 青年の口から出たのは、何重もの意味で有り得ない言葉であった。
 よもや、彼のような貴人が……ましてや冷徹だ何だと良い噂を聞く事の無い青年が、 凡愚共の非ばかりか父親の過失をも、認めて謝罪するとは思ってもみなかった。 しかも私如き(と自分で言うのも何だか癪だが)何の身分も持たない子供にだなんて。
 彼の立場にしてみれば、それこそ彼の父親・曹操が先程したように、 手にしている権力と地位を振りかざして傲慢に在っても構わないのである。 またそもそも、青年の将来を損ねかけてまで命を助けられたのは他ならぬ私であるのだから、 その様な言葉を口にする道理は彼には無い。


「っ……いえ、滅相もございません。 私の方こそ、先程は大変御迷惑をお掛けしてしまい、申し訳在りませんでした」


 予想外の出来事に暫し呆然としてしまったものの、膝を折って深々と頭を下げた。 既に怒りは大分覚めていて、 先程中華で最も権力のある男相手でさえも大人しく垂れようとしなかった、 無駄に矜持の高い自分の頭をも、いとも容易く下げさせていた。
 しかし正直な話、一矢報いる事を邪魔立てされて結果的に此処で仕えねばならなくなった事に、 少しばかり思うところが無い訳でもない。 自分でも知らない内に助けを求めていたのかも知れないが、 少なくとも口に出して「助けてくれ」と請うた訳ではないのだ。
 だが目論見を阻止されてしまったとは言え、自分の様な余所者の為に、 彼の様な貴人がわざわざ余計な手間をかけてくれたのは事実であったし、 それに人としても社稷を担う人臣としても、あの行動力と強さ、 洞察力と思考の鋭さには好意を持たざるを得ない……否、もう既に持っているのだと思う。


「構わん。 大した事ではない上に……あれはあれで面白い余興だったからな」


 青年はやや少年の若さを残した声で、機嫌が良さそうに少し笑った。 先刻、青年の父に向けた、形ばかりの礼とは違い、大分心から頭を垂れている自分が面白くて仕方ないと言ったところであろう。
 更に私への興味が増したか、


「私に遠慮は要らぬ。面を上げてくれ」


 と、非常に気安い態度を見せた。
 礼をまるっきり無視した言葉に、思わず顔を上げた。 勿論言葉に従ったからではなく、驚きのあまりに、ではあったが。
 自慢ではないが、私は世間でも噂される程に儒を重んじる家庭で育った。 目上の人間は絶対の存在。 己の家では、長幼の別なく兄弟は家長である父に跪き、呼ばれて棒で指されるまでは頭を上げる事も許されなかった。
 最早、骨の髄のみならず魂までにも刻まれたと言っても過言ではない儒家のしきたり。 それに畏れを抱きながらも、うっかり上げてしまったが、 公子に面を上げよと命ぜられた以上、否やも言える筈も無く、 また今更顔を伏せる訳にもいかず、言われた通りに仰いで曹丕を見た。
 しかしそれでは物足りなかったのか、今度は『立て』と命じられた。 またしても素直に立ちながら、何やら落ち着かぬ心地がしてそっと視線を落とし、 審判を待つ罪人の様な心持ちで相手の出方を見守っていると、 漸く貴人は満足げに頷いたのであった。


「ところでお前は幾つになる?」
「九つでございます」


 私の背は曹丕の豪奢な腰飾りを、ほんの少し追い越した位か。 改めて向かい合って並んでみると、 彼は私を斬ろうとした武官と比べて細い部類に入るのかもしれないと思った私の推測を裏切り、 青年の成熟した肉体は見た目にとても逞しい。 武のみではなく気品や知性すらその佇まいに醸し出すその姿は、 如何にも理想的な大人の男であった。


「若いな、私の丁度半分だ」


 ―――――とすると十八歳なのか。
 そろりと視線を上げてまじまじと曹丕を見る。
 大人びている顔立ちと威厳すら漂う立ち居振る舞いは、 とても弱冠(二十歳)にも満たない青年が持ちうる物ではないと思っていた。 しかしよくよく曹丕を見ていると、確かにまだ若々しい、年相応の表情を覗かせる。 例えば今、私を見下ろしてくすりと笑う仕草なんかは特に。
 しかし次に耳に届いた言葉は、只の若造などでは無いのだと如実に示していた。


「……咄嗟の思い付きとは言え、矜持が為に死を覚悟するには、些か早すぎるのでは無いか?」
「っ!」


 相手が自分に見とれている隙を突いたか、すっと声を低めた曹丕が先ほどの茶番に言及した。
 ―――――……やはりそう来たか。
 と呼び止められた時から予想はしていたとは言え、 曹丕からの威圧は喉元に鋭利な刃を突きつけられているような錯覚を起こす程に、 恐怖と危機を煽った。
 落ち着け、と自身に念ずる。 しかし、相手が曹操の様な、余りよい感情を持てぬ者であれば、 如何なる脅し文句や威圧が来ようとも平然としていられようが、 怒りがすっかり冷めて寧ろ曹丕に好ましささえ抱いている今、 彼に対して抗う気概なども何も私は持ってはいなかった。 言わば無防備なのだった。


「……仰る意味が、解りかねます……先程は怖ろしくて、 身が竦んだだけのこと……私如き小者にその様な」


 先刻の茶番に言及した青年は、私の動揺する姿に口端を上げて笑った。
 全て見透かしているのだ。
 それを分かっていても尚、弁解を試みようとしたが、哈哈(からから)と笑い始めた青年に遮られてしまい、 結局最後まで言う事は出来なかった。


「今更私をたばかっても無駄だ。
 ……お前は命と引き替えに我が父の名を穢さんとしたのであろう?」
「そんな、こと……」


 真にその通りだとは言え、改めて青年に言及されるのは何故か心に耐えかねた。
 彼からすれば、幾ら不仲の父と言えど、そこらの匹夫ではないのだ。 寧ろ、素行を抜きにすれば、偉大な漢の一人である。 余所人に……ましてや子供如きに貶められて良い物ではない。 先は庇ったとは言え、彼が怒り心頭に達し、面罵どころか例え私を手打ちにしたとしても、 父の曹操の面子を想って殺したのだから、曹操が直接部下に命じて殺すよりかは正当性もあり、可笑しくはないのだ。
 考えを巡らせていると、呆れ果てたような溜息が上から降ってきた。 見放されたかのようなそれに自然、体が跳ねて覚悟を強いられる。 次の瞬間、あの白銀の双剣が閃くのではないのかと。


「別に咎めている訳では無い。その年で闇闇と死に急がずとも良かろう、と思ったまでの事……」


 しかし、与えられたのは痛みではなく、優しい労りに満ちた声であった。 予想だにしなかった優しい響きに、そっと片目を開けて相手を見遣ると、安心させようとするのか一つ頷かれた。 それにほっと息を吐き、曹丕の言葉を待つ。


「しかし、お前も存外大胆な事をする。 あの様に己が感情を晒すのは、己が身だけでは無く、一族を死に晒す様なもの。 既に父や兄も仕え、それを頼みとする一族がいるお前の立場では、例え怒りが正当であろうと一族を思って耐えねばならぬだろうに」


 そう、あの場合、一族を思うなら普通は堪えねばならなかった。 しかし耐えなかったのは、激昂して思いやる余裕が無かったという訳ではない。 冷静に考えた上で、例え死を賜ったとしても父や兄を始めとする一族には累が及ばぬだろうとまで打算していたからであった。


「……誠に仰る通りです。
 しかし曹丞相は才を殊の外愛する御方と聞き及んでおります。 嘗て己を裏切り、呂布に殉じて処刑されし陳宮とやらの老母ですら、彼の才を偲んで厚く遇されました。
 然れば、丞相は己に仕えている私の父兄達も、その才の優秀さが故に悪い様にする筈が在りませぬ。」
「しかし、我が父曹操は命の恩人を勘違いから一家皆殺しにし、 父親嵩の仇である陶謙の治めていた徐州の民十万余りを殺した男であるぞ?  幾ら司馬防が優秀であるのみならず、自身の恩人だからとて、司馬一族を誅殺せぬと言う保障は有るまい?」
「いいえ、保障ならばございます。 一介の雄で在った時なら未だしも、今は情況が違います。 不安定な地盤と人心を固めたい今、政権内部の者を誅殺するのは愚考。 確実に混乱を招きます……なれば、実行には移せますまい。 それに、」
「……稚ない子だけではなく、その親兄弟に三族まで悉く誅せんとすれば名士達も煩かろうしな。
 曹魏が大きくなったのは彼らの力に拠るところが大きい。 故に自然と穏やかな処置にならざるを得ぬ、と?」


 言いかけた言葉を、青年が面白そうに補った。 言おうとしていた言葉を寸分違わずに言い当てた青年に、畏怖よりも敬意の念を抱いた。 あの場でこの青年だけが、私の拙い企みの全てを見通していたのだ。 彼が、一体何からそうと察したのか全く検討がつかない。
 ―――――流石は乱世の奸雄の血を引く男。全て見透かされている。
 そう思った瞬間、ぞわりと背筋から脳天へと何かが走り抜けていった。 その初めて味わう感覚をどう表現して良いかさっぱり分からなかったが、 それは何処かこそばゆく、嬉しい物ですらあった。
 公子の言葉に否定もせず、肯定も敢えて形にはせずに、微笑みで応えながら、 その甘美さに瞬間酔った。


「……ならば私は何ゆえ後事を憂うることがありましょうや」
「だから死ぬると言うのか?」


 しかしながらそこまで見透かしていたとしても、 曹丕には命までを賭す事には理解が得られぬようであった。 故に曹丕を仰ぎ、しっかりと眼を合わす。


「如何に幼く道理が分からぬ私如き匹夫とて、決して譲れぬモノがございます。
 失礼を承知で申し上げますが、私は貴方の御父上にだけは仕えたくありませぬ」
「屈辱に甘んじる事は衿持が許さぬと言うのであろう?  我が父は卑しき家の出……些か荒事を好むと言うのも、 清流派出身のお前には確かに耐え難かろうな」
「……」
「だが死が一体何になる。一体何をなせると言うのだ。 生きねば勝者には成れはしまいし、その雪辱を晴らす事も出来まい?」


 彼が半歩、距離を詰める。 ゆるりと差し出された手が、仰いでいた私の顎を添えるような力加減で支えた。


「司馬仲達よ、死すれば如何なる人とて只の塵に過ぎなくなるのだ。 お前だけではなく、仮令それが尊き漢の竜だろうと、乱世の奸雄だろうとも、な」


 彼は喉奥で、人の命の儚さを笑った。 神聖とされる者への不遜も、偉大な覇者への不敬も畏れもせずに。
 それを見ていると、如何に自分が幼く無力かを感じざるを得ず。 彼にしてみれば、その儚い命を自死で縮める事などさぞかし無意味で愚かな行為なのであろう、 と紡ぐ声は自然とか細い声になってしまう。


「……死という手段しか取れぬ、己が愚昧さは重々承知しております」
「愚かと言ってるのでは無い。私は惜しいと言っているのだ」


 しかし、彼はそう思ってはいなかったらしい。 見下されたのかも知れぬと言葉を紡いだが、与えられたのは予想外の言葉であった。


「……惜しい? 公子は私を買って下さるというのですか?」
「他に何がある?」


 訊き返せば、公子が問うてきた。 自分は何も可笑しな事は言ってない、と自信に満ち溢れた表情で真っ直ぐに見詰めてくる。 それに些か気後れを感じ、言いよどみながら言葉を返した。


「……しかし、私はまだ幼く取るに足らぬ身なれば……、 家柄も利用価値も……それこそ私などよりも余程公子にとって有益な方が、 公子様の周辺のみならず、御父上の幕下にも沢山おりますでしょうに……」


 いくら名門司馬家の出とは言え、私は継嗣にもなれぬしがない次男でまだ幼子。 しかも、先程曹操の機嫌を損ねたいわく付き。 もう出世も断たれたと言っても過言ではなく、誰が私を傘下に入れようと利用価値はとうに失われている。
 唯一、役に立つと言えば、父の不興を畏れずに飼い殺しされる子供を、 敢えて庇って哀れんでやる素振りを見せれば、慈悲深い仁君として後継争いに多少有利に出来る位か。
 しかし、それでも他に幾らでも立派な行動を示す手段はあるのだから、別に無くたって良い。 そんな事しか最早使い道のない者よりも彼にとって有益な者は幾らでもいる筈だ。 後継者争いをするだろう彼に貢献出来る者は幾らだって。 名士が欲しければ荀家も陳家もある。 特に司馬の名が欲しいとしても、私には優秀な兄も、曹操の信頼も深い父親だっているのだ。
 ……どのみち、私でなくたって良い。
 小さく自嘲を零して眼を僅かに伏せた。 すると、曹丕は上から鼻で哂って、私の言葉を一蹴する。


「下らぬな。 確かに無益よりは有益の方が良かろうが、 しかしその様な物、私からすれば何ら惜しむ物ではない。 私が惜しむのは、唯一つ。
 ―――――お前の才だけだ」


 与えられた言葉が信じ難くて、ぱちぱちと瞬きをした。
 哀れみでもなく。道理でもなく。打算ですらなく。
 ではこの公子は、唯私の才を見抜き、殺してしまうのには惜しいからこそ、 自らの進退も命すら賭けて庇ったと言うのだろうか?
 問う様に見つめると、肯定するかの如く頷かれた。


「でなくば何を惜しむと言うのだ。 お前は噂より遙かに興味深いと言うのに」
「曹丞相や皆は、私を取るに足らぬ者だと見ておりますのに?」


 つい詰るような口調になる。
 公子とて忘れた訳ではあるまい。 つい数刻前に、この広間に満ちていた嘲りを。

『如何な司馬家の二達と言われても所詮は十にも満たぬ幼子。
 小賢しいだけで恐るるものでは無い。』

 思い返して悔しさに唇を噛む。
 しかしそれを見咎めてか、公子が顎へ添えていた手の指で唇をなぞってきた。 固くはあるものの手入れの行き届いた肌触りの良い滑らかな指に、 労る様に何度も撫でられていると、自然力が入らなくなった。 あっさりと解かれた唇に何故か機嫌を良くした彼はまた機嫌の良さそうに口端を上げた。


「可笑しな事を言う。あの老いぼれや無能共に、お前の若き才を見抜けるとでも?」


 不意に彼が長身を折り曲げて、片膝を着いた。 近さに後ずさる私を許さず、捕らえ易かったのか二の腕を捕らえてやんわりと引き寄せる。 子供の小さな体とは言え、強引にそうした訳では決して無かったいうのに、 容易く私の身体は曹丕の腕の中に入ってしまったのには些か驚いた。


「……司馬仲達、耳を貸せ」


 言い様に公子は、耳元に顔を寄せた。 外聞を憚る内容なのかと、僅かだが素直に身を寄せれば、こそりと耳打ちしてくる。


「老いぼれに一矢報いろうとせん胆力があるならば、生き残って此の魏を奪い取るだけの気概を見せよ。
 折角の智才、たかが九年で終わらすには惜しかろう?」
「!?」


 耳に入れられた言葉に、思わず青年へと視線を合わせた。 内容の不遜さと意外さについて言及しようとしたのだが、 しかし予想外に至近距離にいた青年の顔に、 頭の中に在った言葉が全て消えてしまった。 冷たさも感じられる秀麗な顔つきに思わず見入る。


「ぁ……、」


 頬が熱い。 後退ろうとしても、いつの間にかやんわりと腰に回されていた青年の腕に引き止められて、無駄に終わる。 公子、と回らない舌で呼び掛けようとするも、ぱくぱくと唇が動くだけで何も音にならなかった。


「……何だ……?」


 今まで触れる程度であった指は、今やしっかりと顎にかかっている。
 瞬きをする事も忘れて見つめ、ともすれば下がりそうになる視線を何とかして保っていると、 曹丕の左右に振り分けられた光に透ける前髪の奥、優美に、しかし力強く引かれた眉が見えた。 その下で若々しい炎を宿した様な、焦げ茶の曹丕の両の瞳は、 私の未知に震える心を見透かしてか食い入るように見つめて離さない。
 美しい造作をしている、と頭の片隅では思うものの、視線のあまりの近さと強さに、 やはり耐えきれなくなって、怖じて俯こうとすれば、 すっと通った鼻筋の下で彼がまた楽しげに喉を震わせた。 そうして指をかけた顎を更に少し上向かせる。


「……っこう、し……?」
「良い子だから、少し黙っていろ……、」


 意図が分からなくて、戸惑いながら曹丕を呼ぶ。 寄せられた顔は臣下と作る距離にはかなり近すぎて、吐息すら届きそうであった。 そのせいか、発した声は秘めやかで、掠れた物にすらなっていて頼りない物であった。 それをやんわりと宥める様に、彼は私の顎にかけた指を伸ばして私の唇をゆっくりと撫でる。 公子のやや低めの体温がいけなかったのだろうか、背筋に何故か震えが走った。 しかし公子とて気付いてくれているだろうに、指が離される素振りはなく、更に距離が近付いた。 深い茶色の瞳に映る自分が、見た事も無い表情をしているのさえ見える程だった。

 なのに弧を描いた薄い唇は止まらない―――――








 続





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暗き冷檻、一条の蒼。前篇 / 後篇・一 - -
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 ちまい・漸く念願の二人きり・前篇でした。(そうは見えないけど/死)
 久々の更新ですみません……交地8で別ちまいに熱(萌)を全力投球してしまったので、 ちまい可愛いって言って下さる方々に納得していただける出来だと良いんですが; いや、だめですね、駄文ですね…!(崩落/何)
 てゆか後半に力を入れた事が丸分かりです。 丕様視点って犯罪くさくなりそうです。 いえ、なっちゃいますかね……怖いから要望有ったら書こう……(痛)

 因みに丕様の「人は死ねば塵になるだけ云々」は、史実の丕様にも有ったお考えでございます。 在位中にも「滅びぬ国家はない」など、 達観してるお考え満載の丕様でしたので、言わせてみました。 先行研究では老荘思想気味っぽいらしいですよ。 そんな丕様はどうですか、皆様!(訊くな)

 あと、そそ様が名士達の扱いに頭を悩ませてたのも史実。
 義理とは言え祖父が宦官だったそそ様は周囲の名士達(王朝に仕えてた貴族達とか)に軽蔑されてたらしいです。 お陰で官界デビューが遅れたんですが、 そそ様を見込んだ名士達(仲達の父、司馬防含む)に助けられて無事役職に就く事が出来たのです。 んで、段々力を付けてきたそそ様はその名士達に馬鹿にされない様に学問や詩作に励み、 また息子達も次代の統治者にさせる為に貴族の教養として学ばせたとか。 (それがきっかけで建安文壇が出来たそうです。)
 卒論でいっぱい丕様付近は調べたので、薀蓄垂れてみました(笑)

 20071228 海石